2013年10月20日日曜日

水神の舞 中之島GATE 新作能「水の輪」

水都大阪フェス2013は10/27まで。
ラバーダックも19日、中之島GATEを去りました。
これから過ぎし時の記録をお届けします。

                          2013.10.14

中之島GATE MuDA特区

絶滅が危惧される動物たちの水辺。
動かぬ動物の群れたち。
そしてラバーダックが見えます。

このなかにあるオアシスが能舞台になりました。


まず地謡と太鼓・大鼓・小鼓・笛の囃子方が入場すると、
笛の音に続き、打ち物が激しく奏されます。

先ほどまでお隣の会場で
 演奏されていた和太鼓の音はかき消され、
すぐにお能の世界に導かれます。

まずあらわれたのは龍神(水の神)です。



ゆっくり舞台のなかに進みます。

清い流れの道をつくり、波間を静めて待っていると



そこに水神が現われます。


「水の輪」の物語は淀川が舞台です。
初演は水都大阪2009でした。

昔は美しかった川は汚れてしまった。
そして川に住んでいた水の精も去った。

水の精にまた川に戻ってもらう為に
水鳥たちが集まって川の掃除をはじめます。

みなの努力で美しく甦った水。

本日はそこに龍神と水神が現われ、
水神が水の都・大阪の繁栄を
祝福する部分が演じられます。









祝福の舞を終えると水神と龍神は静かに水に還っていきました。

このお能には能舞台をまもる松はありません。
あるのは、荒涼とした動物たちの群れと遠景の町。

美しく甦った水もまた、ひとが水の大切さを忘れたら澱んでしまう。

ひとと水
ひとと川
水辺への思い

忘れてしまえばまた水神は去って行く。

そんな儚いバランスの上で生きているのだと
絶滅危惧種の動物たちは語りかけているようでした。



遠くからラバーダックが笑みを浮かべ見守っているようでした。
ミニチュアごとしはかなき我らに祝福あれ


取材・写真 まーしゃ

0 件のコメント:

コメントを投稿